関与先事例 「水織音の宿 山水荘」


山水荘の特徴を教えてください


常務 

国立公園の中にある立地を生かした四季折々の豊かな自然と、日本でも有数の水質を誇る清流荒川の水を使用した和食料理を堪能できる旅館となっております。

2023年で創業70周年を迎えました。2022年5月には、旅館全体の大規模なリニューアルを行い、その際はプラスマネジメントさんに全面的なご支援をいただきました。


コロナ禍の中、なぜこのような大規模リニューアルを

決断したのでしょうか


社長 

元々は10年に1度大きな設備投資をしていたのですが、13年前に東日本東日本大震災の影響で設備投資の機会を逃してしまって…

そろそろ設備投資をしたいと思っていた矢先に、今度はコロナ禍になってしまい、もうあきらめようかと迷っていました。

しかし「ここでやらないと、もう立ち直れない」と思い、コロナ禍での集客減少の時期を

逆手に取り、旅館を休館し、思い切って設備投資をしました。


常務 

旅行の形態が「団体型」から「個人型」に徐々に変化していく中で、コロナ禍で更にその流れが急加速しました。

遅ればせながら、山水荘も「個人型」旅行のニーズに対応できる高付加価値の旅館を目指そうと思い、15室の露天風呂付き客室やオープンキッチンのレストランの設置、エントランスホールの改装といった大規模リニューアルを決断しました。


ホテル山水荘 社長

渡邉 和宏

ホテル山水荘 常務

渡邉 利生


インバウンドへの取り組みを教えてください


社長 

付加価値の高いサービスを提供して、きちんと満足をしていただけるように、特にこれからは「質」を重視した海外の富裕層のお客様の取り込みを強化していこうと考えています。

リニューアルした露天風呂付客室も海外のお客様へ向けてPRしていこうと、今取り組んでおります。


常務 

インバウンドも増えてきて、当館としても様々な取り組みを行っております。

詳しくはプラスマネジメントさんのホームページに掲載している「戦略経営者 2023年12月号」のインタビュー記事を是非ご覧ください!(笑)



税理士法人プラスマネジメントが関与する前と後で、

何が大きく変わりましたか


社長 

以前の顧問税理士の先生の引退により、吉成先生をご紹介いただいたのが、プラスマネジメントさんとのご縁でした。

今までは、顧問税理士の先生方は「税務申告」をすることがメインの仕事であって、「経営のパートナー」としての提案や資料の提供などはほとんどありませんでした。

加えて、経理課も税務申告に間に合わせて決算資料を作れば問題ないという考えになっていたため、月次の試算表作成が3ヶ月遅れるということが多々ありました。

今の時代は変化が激しいので、月次の試算表の作成が遅れてくと、どんぶり勘定になってしまいます。そうなると、「賞与の支給が今期は可能かどうか」といった経営判断が、後手に回ってしまうといった悪循環に陥ってしまうのです。

それを、プラスマネジメントさんの提案で、会計システムとホテルシステム、請求システムを連携できるようにし、正確な月次の試算表を早期に毎月作成する事ができるようになった事が、一番大きな変化ですね。

それと、先程お話しした大規模リニューアルの時もとてもお世話になりました。

今回のように大きな設備投資をする時は、融資を受けるために、複数の銀行と融資交渉をする必要があります。以前は銀行との融資交渉は1から10まで全て会社でやっていました。ただ、今回に関しては事前に吉成先生の方で銀行とやり取りして頂き、「経営計画書の作成」も一緒に取り組むことができたため、非常にスムーズに進める事ができました。新型コロナウイルス関連の特別貸付の制度を利用しながら、最終的には4行の銀行からの協調融資という形で、無事に融資をしてもらう事ができました。

これからは世代交代も視野に入れているため、「事業承継」の問題も出てくると思います。金融機関さんも事業承継のノウハウをたくさん持っていますが、担当者が定期的に変わってしまうので、少し不安があります。だからこそ、今後もプラスマネジメントさんとしっかり連携して、「事業承継」を進めていきたいと思っています。

我々は旅館業のことしか知らないので、色々な視点から的確なアドバイスをもらえるのが、顧問税理士に求めている事でしたので、非常にありがたいです。


常務 

時には吉成先生に、設計事務所との打ち合わせにも同席してもらってアドバイスを頂きました(笑)

「融資支援」や「事業承継」など「トータルマネジメント」で経営を幅広く支援してもらっているので、我々も非常に頼りにしております。


山水荘に訪問した外国人観光客の出身国・地域のマップ

【別館:YUMORIに掲載】

※令和5年11月時点

税理士法人プラスマネジメント

監査担当


会社の「DX化」の状況はいかがでしょうか


常務 

「経理・総務業務」の効率化の点で、クラウド型の会計ソフト「FX4クラウド」をご紹介いただき、導入しました。クラウドシステムのため、複数人で作業ができ、ホテルの予約システムや仕入等の購買システムと連携することで、「経理業務」の入力作業が大幅に削減され、精度も上がりました。

以前は、ホテルシステムから集計したものを紙の伝票に起こし、そこから1台のパソコンで入力するといった作業を行っていたので、「経理業務」の生産性は格段に向上しました。

あと、個人的には出張が多いので、出張先や移動時間中にパソコンでリアルタイムに業績を確認できるようになったのはとてもありがたいです。

今までは経理課のパソコン1台でしか確認できなかったため、紙で印刷された試算表をみて、気になった点を都度、経理の方に確認する必要がありました。

例えば「管理費」の項目が気になれば、以前はその都度、経理担当者に問い合わせをしていましたが、「FX4クラウド」では自分のパソコンで、場所を問わず経費の明細まで確認できます。「なぜ今月は経費が多かったのか」、「水道光熱費はどれだけ増えているか」と言った細かい部分まですぐに把握できるようになり、「現状自由に使える資金が手元にいくら残っているのか」、「今月は黒字か赤字か」といった経営状況もすぐに確認できるのは、非常に大きいなと感じます。

「総務業務」でも、TKCの給与計算ソフトと勤怠管理システムを連携させることで、生産性が向上しました。

以前は、タイムカードから手計算し、そこから給与計算ソフトに打ち込んでいました。現在は、タイムカードを廃止し、勤怠管理システムのデータを給与計算ソフトへ読み込み、自動で計算を行うので、最終チェックをするだけになっています。さらに「FX4クラウド」とも連携して給与関連の仕訳も自動で計上するようなりました。

「経理・総務業務」のDX化により、全て「見える化」できるようになったので、社内の業務効率は非常に向上したと感じております。

社長も「DX化」に積極的に旗を振ってくれているのでありがたいです。


社長 

様々なシステムと連携することによって、生産性の向上だけではなく、以前と比較して、より詳細なデータが見られるようになりました。

例えば、ホテルシステムとの連携によって、「本館」「別館」の売上だけでなく、「本館」の「東雲」、「花鳥苑」、「紫水亭」といった各棟の売上が見られるようになりました。

銀行への「決算書」や「試算表」の提出も、「モニタリング情報サービス」というものを利用して、電子で送るようになりました。

プラスマネジメントさんからは、「税務」だけではなく、会社の「DX化」の提案もしていただけるようになったので、非常に助かっています。経営のレベルは以前よりも格段に上がったと思いますね。



今後の目標を教えていただけますか


常務 

観光庁も、これからは付加価値をあげていき「数」ではなく、「質」で観光客を誘致しようとしています。

海外からのお客様には、観光だけではなくその地域の文化を体験していただきたいと思っているので、土湯温泉ならではの商品や体験を提供できるような旅館にしていきたいです。

それが実現できれば、土湯温泉、福島市の地域貢献にもなり、地方創成の一助にもなるのではないかなと思っています。


社長 

「水織音の宿」という名前の通り、水質の良い水を活かして「水」をテーマにした旅館を作っていきたいと考えております。

今後もプラスマネジメントさんと二人三脚で、目標に向かって進んでいきたと思っています。これからも末永く宜しくお願いします。


TKC戦略経営者でも紹介されました

戦略経営者

2023年12月号掲載

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